登場人物

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牛鬼(うしおに)

顔が牛、体が蜘蛛のような、西日本に伝わる妖怪。
主にギャグ漫画や日常系漫画が大好きで、夜な夜なオススメを教えてくる。

『殺し屋1』を間違えて読んだ日は2ヶ月寝込んだ。

 

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一つ目パンダ

目が一つしかないパンダの妖怪。

漫画好きだが保守的で、家にある漫画をネカフェで読んでしまったりする。

こんな妖怪はいない。

 

 

あー。なんか面白い漫画ないかなー。

 
 

呼んだ?

 
 

あ、牛鬼(うしおに)だ。相変わらずキモいな~。
なんかオススメの漫画ない? 気楽に読めるやつで。

 
 

じゃあこれとかどう?

 

 

 

ヒナまつり 1<ヒナまつり> (ビームコミックス(ハルタ))

 

大武政夫『ヒナまつり』(ビームコミックス)

 

 

ヒナまつりっていう漫画。流行りの『ダンジョン飯』とか載ってる雑誌の『ハルタ』で連載中なんだけど、めっちゃ面白いんだよね。面白そうでしょ?

 
 

正直……表紙見てもどんな漫画かわかんねえな。

 
 
 

だよねー。この漫画、めっちゃ面白いんだけど、なんかオススメしにくいのよ。面白さの核を言葉でうまく説明できないタイプの面白さっていうか。読んだ人はみんな面白がってくれるんだけど……。たとえばさー、『ダンジョン飯』なら「ファンタジー×グルメ」で面白の軸が伝わるでしょ?

 
 
 

うん。

 
 

『ヒナまつり』ならさしずめ「ヤクザ×エスパー」かな。

 

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『ヒナまつり』あらすじ
やり手ヤクザ・新田義史。ある日、彼の家に超能力少女・ヒナが転送されてくる。新田の家に住みついたヒナは現代社会の常識を全く知らず、超能力を使って騒動を起こす。やがてヒナと暮らすことで新田にも変化が訪れ……。

 

 

 

おー。面白そうじゃん。悪いおっさん×少女の組み合わせっていいよね。映画『レオン』みたいでグッと来る。

 
 

でも、本当はそこが軸じゃないんだよ。一言でいうなら……「ダメ人間のエレクトリカルパレード」が面白いギャグ漫画なんだよ。

 
 

ギャグ漫画なんだ。

 

 

『ヒナまつり』はギャグがキレッキレで笑えるし、キャラクターもすごく魅力的なんだけど、「ダメ人間」ばっかりなんだよね。クズかバカか不運かお人好ししかいない。そこがすごく魅力的。

 

 

 

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別の世界から転送されてきた、イクラが大好きな超能力少女、ヒナ(バカ)

 

 

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ヒナと暮らすようになって牙を抜かれたヤクザ、新田(お人好し)

 

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バーテンダーの詩子さん(クズ)

 

 

イチ押しキャラはヒナの同級生の三嶋瞳ちゃんね。この漫画では珍しく真面目でいい子でかわいい。

 

 

 

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三嶋瞳(不運なお人好し)

 

 

だけど、あまりにもお人好しすぎる&学習能力が高すぎるせいで、中学1年生なのに周りのダメな大人に仕事を押し付けまくられる。作中の負の要素を一身に背負うハイスペック中学生なんだよね。

 

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なんで中学生が働いてるんだ……。

 
 

ダメ人間たちの思惑が交錯した結果、勘違いが勘違いを生んでとんでもない結果になるんだけど、どこかトボけてて悲壮感がないのも良い。あと基本、キャラへの容赦がないんだよね。ヒロインであるヒナですら、にらめっこ対決でこんなことになるし。

 

 

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ヒロインがしていい顔じゃない。

 

「ギャグ」と「コメディ」の高度な両立

 
 

でも11巻もあるんでしょ? ギャグ漫画って読んでるうちに慣れてきて飽きちゃうんだよなー。

 
 

それが、巻を追うごとに面白くなってて、11巻の時点でもまったく勢いが落ちてないんだ。

 
 

ギャグ漫画でそれはすごいな。

 
 

唐突だけど「ギャグ」と「コメディ」の違いってなんだと思う?

 
 

ギャグ漫画は一発ドカーンって笑いを取っていくイメージだな。コメディはもっと地に足がついてて、キャラとかストーリーを重視してる感じ。

 
 

うんうん。どっちにも一長一短あるんだけど、『ヒナまつり』はゲラゲラ笑えるような「ギャグ」が、しっかりしたストーリーの上に成り立って「コメディ」になってるんだよ。これってマジですごいと思うんだよね。

 
 

ほー。(構造を語り始めてキモいなあ)

 

 

 

こちら葛飾区亀有公園前派出所 200 特装版 40周年記念 (ジャンプコミックス)

 

 

たとえば『こち亀』はギャグかコメディでいえば完全なギャグ漫画。両さんが派出所を爆破しちゃったりしても基本的には次回なかったことになるでしょ。ギャグ漫画は、ムチャな展開をやりやすくするために、「次回に前回の展開は持ち越さない」ってルールを導入してるわけね。

 
 

逆にストーリーのある漫画は「展開の持ち越し」を前提にしてるから、下手に建造物を爆破したりできないし、笑いの面ではおとなしめになりがちかもな。

 
 

そうそう。『ヒナまつり』は勘違いでどんどん話がメチャクチャになっていって、そこはすごくギャグ漫画的なんだけど、ちゃんとギャグが後の展開に活かされていくストーリー漫画でもあるんだよね。「ブチ壊し」を連続した結果、ストーリーが創られてる。これは驚異的手腕ですよ!

 
 

解説に熱が入ってくるとですます調になるのキモいなあ。

 

 

 

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だから、読めば読むほどキャラクターに愛着も湧いて面白くなってくるんですよね。最新刊(11巻)とか、ちょっと泣けたもん。

 
 

感動要素もあるんだ。

 
 

いや、ほとんどない。でもヒナがいろんな意味で成長していくのがグッとくるのよ。最初は無表情でワガママな野生児だったのに、いつのまにか……。

 
 

「こんなに立派になって……」

 
 

こんな立派なクズになって……。

 
 

クズになるんかい。

 
 

どいつもこいつも欠点だらけなんだけど、そこがキャラの「個性」になってる。まず通しで6巻まで読んでほしい! 6巻の最後のエピソードは「ストーリーもののギャグ」の到達点だと思うから! 本当にめちゃくちゃよくできてる。

 

 

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到達点(6巻32話より)

 

 

「まず○巻まで読んで欲しい」で3巻以上指定するやつって正直どうかしてると思うけど、『ヒナまつり』は面白そうだな。じゃあ今度読むから貸して。

 

 

買え!

 

 

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